新人看護師

レポートや面接で聞かれる、看護観って?

レポートや面接で聞かれる、看護観って?

そもそも看護観とは?

看護師として「患者さんにどのような看護を行いたいか」というような意味合いで使われることが多いと思います。

そんな概念的な話しではなくて、

看護師として大切にしているところ!

ってかんじで考えるとわかりやすいと思います

学生の入職面接や新人看護師のレポート課題で看護観を聞くのは、相手の自己満足

 

看護学生の入職面接や新人看護師のレポート課題で、

 

あなたの看護観は?

 

と聞かれたり、レポートを書かされたりした経験は、皆さん1度はありますよね。

でも、その時期に看護観を聞いても意味がないと思っています。

正直に言って、勉強しただけ、実習しただけ、毎日業務をこなすことと勉強にいっぱいいっぱいの時に、こんなこと考えられないと思います。

大体その時期に考えらえる看護観はこんな感じ

・患者さんに寄り添う

・患者さんのニーズに合った

・患者さんの意見を尊重した

でも、これらは看護師として働くのにあたり前にあるものだと思っています。

これを答えさせて何になるんだろうと、すごく考えました。

看護観を聞いて、上記の答えが返ってくることで、看護師の適正を見ているのでしょうか?意欲をみているのでしょうか?そんなことで、看護師の適正なんてわからないですし、そもそも看護師の適正ってなんだろうって思いますよね。そんなことで意欲を図れるとは思えません。

「看護のこと考えさせていますよ」のパフォーマンスでしょうか。なぞです。

学生や新人看護師別の看護観の例文

看護学生で、入職の面接時に聞かれた場合

・患者さんに寄り添う

・患者さんのニーズに合った

・患者さんの意見を尊重した

などなど、かっこつけなくていいので、ありきたりというか看護師としての前提にありそうなことにして、その看護観を使った体験談を話しましょう。

話す順番は、

①どんな看護観を大切にしていきたいか

②その体験エピソードを簡単に

③その看護観をもっと習得したい

例えば看護学生さんであれば、

①患者さんに寄り添った看護を実践していきたいと思います。

②実習のときにリハビリを拒否している患者さんがいました。お話をしていく中で、なぜリハビリをしたくないかなどを私にだけ話してくれました。その気持ちを聞いて、担当の看護師さんと患者さんとどんなリハビリなら出来そうかを話し合って少しずつリハビリを取り組んでくれるようになった経験があります。

③このように、どれだけ忙しくても患者さんに寄り添った看護ができるようになりたいと思います。

エッジを聞かせた回答

①貴院の理念にある〇〇という看護を前提に行い、実践していく中で自分の看護観を見つけたいと思います。

②実習中に、リハビリを拒否している患者さんがいました。

新人看護師であれば、自分の診療科の特徴を踏まえて書くといいと思います

科別の回答

急性期→手術を受ける患者さんの理解や術後の回復を支える

慢性期→疾患と共存して生きていく方法を見つけたい

救急科→家族への配慮

手術室→緊張しているであろう患者さんの不安の除去

外来→短時間で患者さんのニーズをくみ取る

などなど・・・

看護観とは現場に出て培われるもの

看護観って、すごく概念的なことを話さなくては・・・と思いがちなのですが、現場に出て、業務がこなせるようになった時に改めて

・何を大切にしている?

・何を譲れない?

・何をこだわっている?

・何をついつい気づいちゃう?

っていうのが、看護観だと思っています。状況や場面、診療科によっても様々あると思います。

例えば、

・気管挿管中の口腔ケアで舌苔を除去したり、発生させないようにする

・小児のシーネ固定のテープをいかに少なくし、でも外れない固定にするか

・おむつ交換でいかにおしり拭きを少なく、いかにきれいにできるか

とかとか・・・

自分がこだわりたい部分って絶対出来ると思うんですよね。

それが私は、本当の看護観だと思います。

結論、看護観がなくても、看護師をしていい

そんなこと言われても、看護観とかなくて困る・・・・・

って思う人もいると思います。

私はそれでいいと思っています。患者さんや家族、多職種や同僚とトラブルにならないなら、看護観がなくても、看護業務はできますね。淡々と粛々とできちゃうんです。私は、それも看護観の一つだと思います。患者さんの状態に動じずに、必要な看護を提供できるってことですよね。

看護っていうと、すごく寄り添って・・・

っていうことが注目されがちなのですが、それだけが看護ではないんです。自分の看護観を人に押し付けたり、否定する看護師のほうが危険だと思います。看護観に正解も不正解もないのに、なぜか評価の対象にしてしまうのが怖いです。

自分の看護観についてのレポートで〇点って・・・

自分の看護観があって、広いからこそ楽しいのが看護なのですが、看護観を押し付けたり、否定したり、点数をつけるほうが、怖いと思いませんか?

自分の確固たる看護観に患者さんを当てはめてしまうので、イレギュラーな患者さんがいたときに対応できないし、看護の幅がものすごく狭まってしまうと思います。

看護観を振り返るのにいい時期は3-4年くらい

一通り業務ができて、問題が起きても自分で対処できたり、リーダーを取れるようになってきたときに

自分の看護観って?

って振り返るほうが、断然効果的です。自分の看護師としてのキャリア形成をするのに、原点に戻ったり、自分の看護熱が燃えるところがわかるのでとてもいいと思います。

まとめ

看護観なんてあってもなくてもいい、

必要に応じた看護が提供できて、患者に害がないならそれでいいんです。